リーダーインタビュー

アルメックスらしい事業で感謝を集めながら
新たな事業モデルの構築に挑戦していく

取締役 専務執行役員 青木 和孝

取締役専務執行役員 青木 和孝

パートナー企業との連携によって
高付加価値のソリューションを創出

顧客のニーズはどのように変化していますか。

当社を取り巻く外部要因では、労働人口の減少と、それに伴う人件費の肥大化、省人化につながるシステムのニーズが引き続き高まっています。製品やサービスに対するニーズの面では、かつては自動受付機や自動精算機などのニーズが大きく、私たちもハードウェア事業の提供に重点を置いてきましたが、近年は顧客が運用している既存システムなどとの連携が重視されるようになりました。精算業務を例にすると、以前は現金決済が主流でしたが、最近はクレジットカードやQR決済のニーズが高まり、そのような仕組みとの柔軟なマッチング性が求められます。システムについても、顧客が持つオンプレミスのシステムとの連携だけではなく、SaaSの会計ソフトなどとのAPI連携を前提としてデータの流し込みや活用を容易にする全体最低のシステム構築が求められるようになりました。

そのようなニーズの変化にどう対応していますか。

既存の顧客に向けた対応では、顧客からの情報収集やマーケティングを行いながら高付加価値のソリューションを提供しています。ハードウェアであるKIOSKや、各種ソフトウェアを画一的に提供するのではなく、組み合わせや組み換えなどによってカスタマイズし、顧客の課題を解決するソリューションを作り出しています。

顧客の要求はさまざまですので、カスタマイズの労力は大きく、高度なスキルと知識も求められます。その点では大量生産型の事業より生産性は低くなりますが、その分、顧客に提供する付加価値は大きくなります。「帯に短し、たすきに長し」になりがちな製品をオーダーメイドで仕上げるところが当社の強みの1つです。

カスタマイズでは対応しきれない全く新しいニーズにはどう対応しますか。

取締役 専務執行役員 青木 和孝

顧客の課題、ITやDXの技術進化、マーケットの動向などを踏まえて、顧客の「あったらいいな」を実現できる製品をDIYに近い形で作ります。プロトタイプについては「図画工作」に近い形で生み出し、顧客と相談しながら世にないものを作り出すこともあります。
大手企業と比べると、私たちはフットワークが軽く小回りがきく開発ができます。大手企業が引き受けにくい小ロットの製品やニッチなサービスにも対応し、スタートアップ感覚で新しいソリューションを作り出しています。その点を評価され、顧客からの相談を起点とする複数の開発プロジェクトが動いています。

KIOSKの開発を通じて蓄積してきた技術力などはシステム連携などの顧客ニーズの対応にどのように役立っていますか。

私たちは自社工場を持たず、海外の工場などと提携するファブレスメーカーの事業モデルです。メーカーのようでメーカーではなく、SIerでありSIerでもない「システム・コンシェルジュ」であることが当社の特徴で、技術を持つ複数の工場などと協業してきた実績があります。ニーズが変化し続ける世の中ではこのネットワークが重要で、パートナー企業の選択と交代を通じて高付加価値のソリューションを生み出すことができます。

技術とおもてなしの融合により
エンドユーザーに選択肢を提供する

ホテル分野の事業を起点として、近年では医療機関、ゴルフ場、飲食店などでの事業も広がっています。

(株)Round1に導入されているKIOSK端末

そうですね。これはハードウェアそのものが開拓してきた需要といえます。というのも、医療やゴルフ場といった市場に参画しはじめた当時の社内は開発メンバーが中心で営業がいませんでした。医療機関やゴルフ場向けの自動受付機や自動精算機が売れ始めてから営業部門ができて新規開拓がはじまったのです。
そもそものきっかけは、ホテル向けの自動精算機を見たゴルフ場の支配人が当社の前身である東洋エレクトロニクスを尋ねてきたことでした。バブル経済の崩壊を機に事業モデルや集客方法を改革しなければならず、自動精算機を活用してゴルフ場運営を省力化したいと相談を受けたのです。そのニーズに応えてゴルフ場向けの自動受付機や自動精算機が生まれました。その後、ゴルフ場を利用した医療関係者が自動精算機に目を止めて、病院でも使いたいというニーズに広がっていきました。

ホスピタリティ産業の評価が高いのがアルメックスの特徴ですね。

私たちは顧客の顧客、つまり施設を利用するエンドユーザーと接する製品を数多く提供しているため、人間的UXを追求するホスピタリティの向上に重点を置いています。私たちのミッションに「テクノホスピタリティ」を掲げているのもその表れで、今まで人が行ってきたおもてなし重視のコミュニケーションをテクノロジーとの融合によってさらに高めていくことを目指しています。

「テクノホスピタリティ」はどんなメリットを生み出しますか?

テクノホスピタリティの基本的な考え方は、ユーザーが選べることです。ホテルを例にすると、対人で精算する従来の方法を望む人や機械相手の精算に味気なさを感じるがいる一方で、並ぶことなく短時間で精算できる方法を望む人もいます。それぞれの考え方にもよりますし、普段は対人サービスを好む人でも、新幹線や飛行機の時間が迫っている時には素早く精算したいと思います。それら選択肢をテクノロジーとホスピタリティの融合によって実現するのが私たちのミッションです。テクノロジーによる時短や利便性向上とホスピタリティによる手厚いおもてなしは相反する概念ではありますが、その両方を追求し、対人サービスを超えるUXを実現し提供することが私たちの挑戦です。

さらなる成長を実現するためにはどのような課題がありますか。

事業の本質は顧客やユーザーに感謝されることであり、その積み重ねによって企業は存在し成長します。私たちのこれまでの成長もカスタマイズによってかゆいところに手が届くソリューションを提供してきた結果ですので、今後もそれを強みとして顧客とユーザーに寄り添って「ありがとう」がもらえるソリューションを提供していきます。

一方で、約700名体制で売上250億円規模となった現状からさらなる成長を実現していくためには、事業の生産性と効率を高めていく施策が必要です。従来の事業モデルを大事にしつつ、多様性の観点で新しい事業モデルの拡充にも取り組んでいくことが大事です。

どのような事業が考えられますか。

取締役 専務執行役員 青木 和孝

生産性と効率の点では「マイナタッチ」のように統一の仕様で提供できる製品を積極的に販売していくことができます。外食のオーダーシステムや海外での事業展開も新たな事業機会ですし、顧客の経営コンサルティングからソリューション開発に関わっていくこともできます。テクノロジーとホスピタリティという難易度の高い融合を実現していくために多様な事業モデルを同時進行で構築しながら成長を続けていきたいと考えています。

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