1.医事DXとは
医療事務は、患者データの管理、予約システムの運用、請求業務、そしてコミュニケーション等、多岐にわたる業務プロセスと複雑な手続きを伴います。これらを効率的かつ正確に行うためには、医事業務のデジタルトランスフォーメーション(以下医事DX)の導入が必要となります。医事DXでは、最小限の人材配置によるコスト削減、エラーの減少、待ち時間の短縮などの利点があります。また、コロナウイルスの影響で非対面、非接触の需要が高まる中、医事DXは医事業務における新たなニーズに適応し、医事業務を持続可能なものにするためにも重要です。
2.医事DXを成功させるには
医事DXを成功させる具体的なポイントとして以下の3つが挙げられます。
①生産性向上を徹底する
「効率を上げる」これはどの病院でも目指している改善内容の一つです。この効率化が成功すると、仕事の質が上がり、生産性が向上します。しかし、ただ作業がスムーズになったとしても、それだけでは本当の意味での医事DXを達成したとは言えません。
「生産性向上」は、職場の効率を最大限に引き出すことを意味します。これにより、人件費を節約し、その節約分をデジタル化の進化に投資します。人を少なくすると仕事の質や効率が下がるかもしれないと懸念する人もいるかもしれませんが、医事DXの目標は全く逆です。デジタル化は、理論だけでなく実際の作業を支え、技術力と作業の質を向上させます。
例えば、自動再来受付機(以下、受付機)を使うことで、受付を担当する人数を減らすことができます。受付の作業は、患者様自身が行います。ここで重要なのは、ほとんどの患者様が簡単に受付を済ませることができる受付機を活用するという点です。そして、自分自身で受付ができない患者様には、丁寧に人が対応します。これにより、患者様の満足度が上がります。つまり、医事DXにより仕事の質・患者満足度と生産性が同時に向上するわけです。
②最も効率的なプロセスに変更する
新しいシステムを導入する際、今までのやり方をそのまま続けようとすることは、よくありますが、これは失敗につながる可能性があります。なぜなら、新しいシステムを最大限に活用するためには、システムが何を担当し、人が何を補うべきかを考え直すことが重要だからです。そのためには、どの作業の流れが一番効率的かを見つけ出し、それに合わせてシステムを導入する必要があります。
例えば、マイナンバーカードの保険証を使って受付をするときの流れを考えてみましょう。今までは、受付機で受付をしてから保険証の確認をする病院が多かったです。しかし、保険証の確認をする場所が1つの窓口だけでなく他の窓口でも実施している場合、マイナンバーカードリーダーが必要な場所が増えてしまいます。
その場合、受付機で受付をする前に1つの窓口で保険証の確認をすれば、マイナンバーカードリーダーは最小限の設置で済みます。
保険証の確認をしないと受付ができないように受付機の設定とプロセスを変更することで、保険証の確認を必ず行う運営体制を整えることができ、ミスの防止やサービスの質も上がるでしょう。
③人とテクノロジー共存を図る
医事DXを進める上で最も大切なことは、「全ての人が満足できるようにする」ことです。デジタル化によって作業の効率が下がったり、患者様の満足度が下がることは絶対に避けなければなりません。そのためには、どの部分を人が対応するかをはっきりさせることが大切です。
特に病院では、高齢者や障害者など、手助けが必要な患者様が多く来院されます。だからこそ、人の手で行うサービスと最新のテクノロジーをうまく組み合わせて、最高のおもてなしを提供することが求められます。
3.最後に
医事DXの目指すべきゴールは、全ての国民が安心して高品質の医療サービスを受けられることです。これは単なる業務効率化だけでなく、患者様の視点を基にしたサービス提供によって、患者様の満足度も高めることが目標です。
今、私たちの社会は「超高齢化社会」に向かっており、その中でスマートフォンが普及し、AI技術も進化しています。これにより、デジタル化の可能性はますます広がっています。
これまで人が行っていた受付や受付機などのハードウェアを「アナログ」と呼び、アプリなどを使ったサービスを「デジタル」と呼ぶなら、このアナログとデジタルがうまく融合したサービスこそが医事DXが目指す世界で、全ての患者様が満足できる医療サービスを実現するためのキーポイントとなると考えます。
これは当社の理念でもある「テクノホスピタリティ(TECHNO-HOSPITALITY)を世界へ」を具現化するものです。
これまで、私たちは「自動再来受付機」や「自動精算機」を使って外来窓口業務の効率化に長年取り組んできました。そのノウハウを活かし、来院から帰院までの新しい運用プロセスを「医事DXソリューションパッケージ」として提供し、今までの半分の人員で業務を円滑に進めることを目指します。そのために業務調査を通じて、具体的な提案をコンサルテーション形式でサポートし医事DXを推進いたします。
医事DXにご興味のある方は、どんな些細なことでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。