オンライン資格確認とは? 導入メリットと申請手順をご紹介

オンライン資格確認とは? 導入メリットと申請手順をご紹介

医療保険の「オンライン資格確認」の本格運用が2021年10月20日からスタートしました。また、2022年7月には厚生労働省より、2023年4月からオンライン資格確認の導入を「保険医療機関等には原則として義務化」することが発表されました。


ここでは、あらためてオンライン資格確認の概要について解説するとともに、オンライン資格確認を導入するメリット、導入手順などをご紹介します。

オンライン資格確認とは?

病院やクリニック、薬局では患者さまが加入している医療保険を確認する必要があります。この確認作業は「資格確認」と呼ばれています。


これまでは、患者さまの健康保険証を受付で預かり、記号・番号・氏名・生年月日・住所などを医療機関システムに入力するという方法で資格確認を行っていましたが、このやり方では「データ登録の手間」「患者さまをお待たせする」という課題がありました。


オンライン資格確認は、マイナンバーカードのICチップ、または健康保険証の記号番号などにより、患者さまが今現在、保険診療を受ける資格があるのかを、オンラインで即時に確認できるようになるという新たな制度です。

オンライン資格確認を導入するメリット

オンライン資格確認を導入することによる医療機関のメリットは、「資格確認」に関連する医事業務の負担を軽くするほかにも、患者さまの同意が必要ではありますが、過去の薬剤情報や特定健診情報を閲覧することなども可能となります。詳しくみていきます。

窓口業務の負担が軽減される

オンライン資格確認を導入することで、最新の保険資格を医療機関システムに自動的に取り込めるようになり、これまで診察前に手作業で行っていた資格確認に関する作業を省くことができます。健康保険証を利用する場合でも、OCR機能によってマイナンバーカードによる照会と同じように自動取り込みができる機種もあります。

資格過誤によるレセプト返戻を削減できる

オンライン資格確認によって、最新の保険資格をその場で確認できるようになります。そのため保険資格の過誤によるレセプト返戻が減り、業務負担の軽減につながります。

薬剤情報や特定健診情報を閲覧できる

患者さまの同意を得た場合、医師、歯科医師、薬剤師は薬剤情報を閲覧することができ、レセプト情報を元にした3年分の情報を確認することが可能となります。
特定健診情報は医師、歯科医師等が閲覧することができ、医療保険者等が登録した5年分の情報を確認することが可能となります。

その他のメリット

患者さまが申請していなくても、限度額適用認定証などの情報を取得することができます。また、災害時に限り特別措置として、マイナンバーカードによる本人確認ができなくても、薬剤情報・特定健診情報の閲覧ができるようになります。

オンライン資格確認の導入に必要な機材や補助制度

オンライン資格確認を導入するためには、いくつかの専用機器が必要となります。厚生労働省は、2023年3月を目安にすべての医療機関への導入を目指しており、医療機関の負担を軽減するために、オンライン資格確認の導入やシステム整備をサポートする補助金制度を整えています。

オンライン資格確認導入に必要な機材

オンライン資格確認を導入するには、顔認証付きカードリーダーのほかに、マイナンバーカードの読み取りと資格確認のためのソフトウェアおよび付随する機器、ネットワーク環境の整備、レセプトコンピュータ、電子カルテシステムなどが必要になります。

導入負担を軽減する補助制度

顔認証付きカードリーダーは病院で3台まで無償提供、大型チェーンの薬局や診療所、大型チェーン薬局以外の薬局では1台無償提供されます。システムやネットワーク環境の整備に関する費用は、補助申請をすることによって施設によって決められた上限額以内の補助を受けることができます。

オンライン資格確認の導入手順

オンライン資格確認の導入は、カードリーダーの申し込みから補助申請まで、大きく5つのステップで進めていくことになります。

【ステップ1】カードリーダーの申し込み

①医療機関等ポータルサイトのアカウントを登録
オンライン資格確認に係る各種申請をするには、まず医療機関等向けポータルサイトで「アカウント登録」を行います。


②顔認証付きカードリーダーの申し込み
アカウント登録後に、同じく医療機関等向けポータルサイトで顔認証付きカードリーダーの申し込みをします。


カタログやメーカーサイトなどで機能やサイズを事前にチェックし、申し込む機器を選定しておくと手続きがスムースに進みます。不明な点はメーカーに問い合わせて確認することもできます。独自機能を備えている機種もあるので、導入後の運用も考慮して機種を選定するのがよいでしょう。

【ステップ2】システムベンダーへ設定に関する相談と発注

利用しているレセプトコンピュータ等のシステムベンダーに連絡をして、資格確認端末として使用するパソコンの仕様やレセコンのオプション機能の要否、通信回線の種別などを打ち合わせたうえで、見積を取得し設定作業を依頼します。

【ステップ3】導入準備

①利用申請と電子証明書の取得
システムベンダーによる機器設定作業の5営業日前までに、医療機関等向けポータルサイトで「オライン資格確認利用申請」を行います。
利用申請に続いて「電子証明書の発行申請」を行います。
※オンライン資格確認システムでデータを安全に送受信するために接続するパソコンごとに電子証明書が必要となります


②機器の設定
機器設定について相談・発注したシステムベンダーによる機器設定作業を行います。主な作業は以下となります。
・パソコンなどの機器設定作業
・ネットワーク設定作業と疎通確認
・レセプトコンピュータの設定
・運用テスト

【ステップ4】運用開始日の登録と運用スタート

システムの導入や運用スタートに向けての準備が完了したら、医療機関等向けポータルサイトで「運用開始日を登録」します。

【ステップ5】補助金申請

システムベンダーから補助金申請に必要となる領収書などを受け取り、「オンライン資格確認等事業完了報告書」を医療機関等向けポータルサイトからダウンロードして記入します。これらの準備が整ったら、医療機関等向けポータルサイトから補助金申請を行います。

まとめ

今回は、2023年4月からの「オンライン資格確認導入義務化」の発表を受けて、あらためてオンライン資格確認制度の説明と導入メリット、カードリーダーの申し込みから補助金申請までのおおまかな流れをご紹介しました。


オンライン資格確認を導入することで、窓口業務の効率化を図ることができますし、2023年3月を目安にすべての医療機関への導入を目指している厚生労働省は、システム導入経費に関する補助を充実することを決定しています。


補助金を申請するためには、2022年12月末までに顔認証付きカードリーダーを申し込むとともに、2023年2月末までにシステム事業者との契約を結び、2023年3月末までに導入を完了する必要があります。システムの改修や通信回線の整備などにかかる「コスト」で導入を見送られていた皆さまも、導入義務化に向けてこの補助金制度を活用して、導入を進められてはいかがでしょうか。


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また、オンライン資格確認についてマンガでわかりやすく解説しているコンテンツもありますので、ぜひお読みください。


マンガでわかるALMEX_vol.01「マイナタッチでなにができるの?」
マンガでわかるALMEX_vol.02「マイナタッチ導入ステップ」