ラウンドワン様の事業内容をお聞かせください。
私たちはボウリングを中心に、カラオケ、ゲーム、スポッチャなど複数のアミューズメント施設を運営している企業です。現在、国内では103店舗、アメリカでは30店舗ほど運営しています。それぞれの店舗によって平日の営業時間は若干異なりますが、基本的には土日祝祭日は24時間体制でお客さまをお迎えしています。
開店から15時くらいまでは、どの施設も50代60代のお客さまが多くいらっしゃいます。特にボウリング場は、店舗によってはオープンしてすぐにボウリング場の全レーンが埋まってしまうほどです。その時間帯を過ぎると、学校を終えた高校生や大学生の学生さんが中心になってきて、夜19時頃からは20代、30代の社会人のお客さまが多くなり、1日を通して幅広い層のお客さまがいらっしゃるのが大きな特徴です。
50代、60代のお客さまにも人気とのことですが、なぜでしょうか?
5年ほど前から50代以上のお客さまに向けたボウリング教室を各店舗で実施しており、さらに近年の健康志向ブームが重なって人気が出ているようです。ボウリング以外でも、特にメダルゲームが人気ですね。どちらもそこで、自然とお客さま同士のコミュニティーが生まれていて、何度も足を運んでくださるリピーターのお客さまが多いです。
カラオケにボウリング、スポーツ施設などさまざまな施設がありますが、1日に複数のサービスをお使いになるお客さまはいらっしゃいますか?
いらっしゃいます。1日にいろいろなジャンルの施設を行ったり来たりできる、遊び放題のフリーパスチケットも販売しているので、カラオケからボウリングというように各施設をはしごして遊ばれる方も多くいらっしゃいます。
その際、ご自身のスマートフォンで事前に予約していただければ、次の施設にあるKIOSK端末にスマートフォンをかざすだけでスムーズにチェックインすることができます。
シニアのお客さまでも、アルメックスのKIOSK端末は問題なく使っていただいていますか?
導入当初は私たちもそこを懸念していたのですが、今となっては問題がなかったと言えますね。みなさん、スタッフがサポートする間もなく、中にはスマートフォンをKIOSK端末にかざして使いこなしている方もいらっしゃいます。リピーターのお客さまが多いということもありますが、初めていらっしゃるお客さまにはスタッフがフロントから出て使い方をお教えすることで、問題なく使っていただいています。
そもそも、どのような経緯でKIOSK端末を導入されることになったのでしょうか?
人件費の高騰に反して人手が足りない状況が続いている中、スタッフが複数人いる状態と同じサービスを無人で提供することができないだろうかと考え始めたのが最初のきっかけです。
お客さまに新たな遊びを提供することを目指して、全国どこにいてもお客さま同士オンラインでつながって、一緒に楽しめるサービスを提供しようという施策も同時に行ったのですが、KIOSK端末で連携してお客さまのニックネームや会員グレード、来店回数などを管理することで実現することができています。
導入開始してから約8ヵ月で次々に計99店舗に763台を導入されました。短期間での導入は苦労されたのではないでしょうか?
東京、大阪からスタートして月に約10~20店舗ペースで導入をしていきました。かなりのハイペースではあったと思います。さらに今回、全ての導入店舗向けに完全オーダーメイドの端末を導入スケジュールに合わせて製造し、全機試験を通過させてから出荷するという流れでアルメックスには対応していただき感謝しています。
たくさんの要望がある中で、一つ一つ細やかに迅速に対応していただける。それができる体制があるのが、アルメックスの強みなのではないでしょうか。
今回、完全オーダーメイドのKIOSK端末を導入されましたが、どのように開発を進めていったのでしょうか?
私たちのさまざまな要望を全てアルメックスにお話しして進めていきました。「このくらいの価格帯で、こんな機能があって、こんな使い方をしたい」という風に。最初はアルメックスの標準のKIOSK端末を提案していただいたのですが、価格やデザイン、機能、サイズなど総合的に考えた時にオーダーメイドで作った方がいいのではという話になり、「それなら1から作りましょう」という提案をしていただいたのです。
開発を進めていく中で、特にこだわられた点はありますか?
もともとラウンドワンの店舗はKIOSK端末などを置くように設計されていないので、今の店舗の空間を活かしていかにKIOSK端末を置けるかを考えたため、サイズ感、特に幅にはこだわりました。
おかげで、一般的なものよりもかなりスリムなKIOSK端末になったと思います。それと同時に、やはりデザインにもこだわりました。今のデザインに行き着くまではさまざまな案がありましたが、人間工学に基づいた使いやすいデザインを提案していただき、使いやすい端末になったと思います。
また、スピードも重視しました。現金の払い出し速度、QRコードの読み取り速度、画面をタッチした時の反応速度など複数社の端末を試してみましたが、アルメックスのKIOSK端末がベストだと感じました。やはり業界ナンバーワンということもあり、信頼感もありました。そうでないと、なかなか全店舗に一気に導入しようということにはならなかったと思います。
開発を進めていく中での、アルメックスの担当者とのやりとりについてはいかがでしたか?
「こんな機能が欲しい」「価格はこれくらいでお願いしたい」など、あれもこれもとたくさんお願いしてしまいましたが、担当者の方は一つ一つ思いをくみ取ってくれ、その都度、解決策を提案してくれました。無理に何でもやるのではなく、「この予算ではこの機能の開発はできないので、違う解決策を考えましょう」というように進めていってくれて、無駄なく開発をしていくことができました。隠し事なく常に明快に答えてくれるので、より信頼が増していきました。
KIOSK端末を導入されて約1年。導入効果をどのように感じていらっしゃいますか?
この1年間は人件費を削減するというよりも、まずはお客さまに知ってもらおう、使いこなしてもらおう、という目的があったため、お客さまへのサポートに注力してきました。それでも例えば、6人スタッフが必要だった店舗も、3分の1の2人で足りるようになり、この1年ではっきりと効果が表れています。
また、スタッフがこれまで4分ほどかけて施設の使い方などを毎回お客さまに個別にご案内していたのですが、KIOSK端末が代行してくれることで2分半ほどに短縮することができるようになりました。それによって、お客さまがフロント前に滞留してしまう問題もほぼ払拭されました。
実際にKIOSK端末を扱う店舗のスタッフもストレスなく業務でも使いこなしているようで、フロント業務が格段に楽になったという声が多くあがっています。
KIOSK端末導入後のサポート体制についてはいかがでしょうか?
現在、24時間365日、アルメックスのコールセンターに繋がるようになっているので、とても安心感があります。アプリケーションは社内で開発していますが、例えばKIOSK端末のエラーが起こった時、店舗からまずはアルメックスに電話をして対応策を聞くことができるので、次の対応の一手が打ちやすく助かっています。
今後、KIOSK端末に新たに取り入れたい機能などはありますか?
最近、ラウンドワン独自の会員証の読み込み用として、追加でQRコードの読み取り機能を導入しました。次は、スマートフォンを読み込まなくてもスムーズに会員証を読み込めるように例えば顔認証や指紋認証などの機能を取り入れていけたらいいなと思っています。
3年後、5年後と考えると必ず今の端末が古くなってしまう時が来ると思いますが、そんな時代の流れに合わせて、この先もお客さまによりスムーズに使っていただけるように、日々アップデートし続けていきたいですね。
その他、ラウンドワン様の今後の展望をお聞かせください。
この1年フロントの人員自体は削減しましたが、その分、他のところでスタッフには活躍してもらっています。やはり、私たちの一番の売りはスタッフだと思っていますので。
例えばボウリング施設の場合には、レーンのすぐそばに遊び方などの説明をするスタッフを配置したり、おすすめのサービスやオプションの機能などのレコメンドをスタッフが行ったりと、遊びの部分ではスタッフが多くお客さまと接することができるようにし、今後もこれまで以上のサービスを提供できるようにしていけたらと思っています。