セルフチェックインKIOSKと自動精算機の導入で、大型複合リゾートならではの課題を解決

セルフチェックインKIOSKと自動精算機の導入で、大型複合リゾートならではの課題を解決

龍宮城スパホテル三日月 龍宮亭 統括支配人 直井良介様 / ホテル三日月グループ 広報宣伝部 主任 長谷川友太様

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龍宮城スパホテル三日月様について

龍宮城スパホテル三日月様は、どのようなホテルなのでしょうか?

千葉県木更津市に位置し、全253室の本館「龍宮亭」と全219室の別館「富士見亭」という二つの宿泊棟と、日帰り利用も可能なスパ棟、プールや宴会場、遊技場などを併設している大型複合リゾート施設です。

龍宮城ならではの特徴はございますか?

宿泊棟に関しては、全室から東京湾を一望できるオーシャンビューである点が最大の特徴です。「龍宮亭」はファミリー層をメインターゲットとした親子三世代でお楽しみいただける宿泊施設で、グループ最大の客室数を誇ります。「富士見亭」は全室テラス&半露天風呂付き客室で、上質なオーシャンリゾートという位置づけとなっています。


温泉施設・スパ棟については、60種類以上の湯殿とジャグジーバスやハーブ湯など趣向の異なるさまざまなお風呂を備えています。また、全天候型屋内温水プール「アクアパーク」では、ウォータースライダーやイルミネーションのショーなど、朝から夜まで一日中たっぷり遊ぶことができます。

温泉/スパ施設をはじめアミューズメント施設が充実していますが、お客さまへの対応で心がけていることはございますか?

アミューズメント施設を中心としていることもあり、お客さまに「日常を忘れて、笑顔で楽しんでいただく」ことを大切にしています。そのためにはまず「スタッフ全員が楽しく仕事をしていること」が重要で、それこそが「お客さまに楽しんでいただくための第一歩」であると考えています。


このことが徐々に働くスタッフに浸透し、楽しく働くようになったことで「お客さまへの接し方がやさしくなった」という声もスタッフから聞こえています。

お客さまにより楽しんでいただくための取り組みがあれば、ぜひ教えてください

楽しそうな雰囲気づくりのひとつに、スタッフが地元球団でもある千葉ロッテマリーンズのユニフォームを着て仕事をしています。お客さまとの会話のきっかけにもなりますし「楽しいホテル」「楽しめるホテル」という印象を持っていただけているようです。

セルフチェックインKIOSKと自動精算機導入の背景

お客さまとのコミュニケーションを大切にされている印象があるのですが、一方でセルフチェックインKIOSKの導入を検討された理由についてお聞かせください

当施設が宿泊施設と日帰り利用可能なスパ施設・アミューズメント施設を併設していることから、繁忙期にあたる大型連休や夏休み期間には、閑散期と比較して約3倍の約3,000人が来館するなど、非常に多くのお客さまが訪れます。
ホテルに宿泊されるほとんどのお客さまはスパ施設もご利用になりますので、入場時間の10時にあわせて来館し、チェックインを済ませてからスパ施設を利用されます。一方、10時はチェックアウトの時間とも重なります。導入前はチェックアウトのお客さまに20~30分お待ちいただくことが常態化しており、チェックアウト対応が終わらないとチェックインをご案内することができないため、退館されるお客さま・来館されるお客さま共にお待ちいただかなければならない状況にありました。


退館/来館されるお客さまをお待たせすることなくスムーズにご案内するための方法として、セルフチェックインKIOSKの導入を検討、決定したという次第です。

待ち時間をなくすこともそうですが、繁忙期と閑散期の人員調整も課題のように思えますが…

おっしゃるとおり、繁忙期は多くのスタッフを必要としますが、一方で閑散期にそのスタッフを抱えることは難しいという人員配置も大きな課題でした。この点も業務省力化と人手不足解消に貢献するセルフチェックインシステムや自動精算機の導入を決めた理由の一つです。

導入にあたって他社製品と比較されましたか?

検討を進めるうえで参考にしていた施設がUSEN-ALMEX製品を導入していたという点と、基幹システムとの連携とカスタマイズ対応について、導入しているシステム会社の担当に相談したところ、USEN-ALMEX製品を勧められたことから、他社製品との比較をすることはありませんでした(笑) また、宿泊施設への導入実績の多さと温浴施設専用機を開発されていたことも決めての一つでした。

導入効果とアフターフォローについて

お客さまのスムーズな案内やストレス軽減、省力・省人化を期待して導入いただきましたが、実際の効果はいかがですか?

セルフチェックインKIOSKを導入した宿泊棟については、行列がほとんどなくなりましたので、退館/来館されるお客さまの待ち時間をなくすという目的はほぼ達成できたといえます。


また、精算業務に関しても、現金の取り扱いやカード決済時の金額打ち間違えといったヒューマンエラーがゼロに近いくらいまで減りましたし、〆業務に対するスタッフの業務負荷やストレスが大幅に軽減されています。
業務が軽減されたことから、勤務時間を圧倒的に圧縮することもできています。

人員配置についてはいかがでしょうか?

導入前は3~4人で対応しなければフロントが回りませんでしたが、導入後はトラブル対応を踏まえて最低必要と考えている2名で十分対応できていますので、この点でも期待どおりの効果が出ています。

導入に対するスタッフの反応についてお聞かせください。

導入当初は、初めての試みということもあり不安を感じているスタッフも多くいました。また、セルフチェックインは人を介さないことからサービスの劣化を心配する声も耳にしていました。


実際に運用開始直後はシステム連携を含むトラブルも発生していたので、ストレスを感じていたようですが、アルメックスはじめ関係者がしっかり対応してくれたこともあり、運用が安定し、対応に慣れてくると、導入効果を実感しているようです。


たとえば、これまでは目の前に行列ができていたので、とにかく処理に追われ悪く言えば「捌くように」業務を行っていました。導入後スムーズに回るようになると、余裕をもってお客さまと接することができるようになり、結果的にサービスの質も向上しました。業務に対する余裕が生まれたことは、スタッフが楽しく働くことにもつながっています。

実際にKIOSKを利用されているお客さまの反応はいかがでしょうか?

スーパーやコンビニ、映画館などすでに多くの施設でセルフレジや券売機に触れていることから、ほとんどのお客さまは迷うことなくご利用されています。慣れている方は1分足らずでチェックインを済ませていらっしゃいますね。

海外からのお客さま、いわゆるインバウンド対応についてはいかがですか?

外国語対応できるスタッフもいるのでこれまでも対応できていたのですが、人数は多くありませんし、常駐もしていないという点は課題でした。導入後はKIOSKが多言語対応していることもあり、表示変更の案内をすればお客さまご自身で手続きを進めていただけるので、この点でも強化できたのではないかと思っています。

導入前後の弊社の対応や保守・サポートの体制についてはいかがでしょうか?

導入当初のトラブルはあるものだと考えてはいましたが、ハイシーズンに合わせて稼働をスタートすることに対する不安はありました。


実際にトラブルは発生しましたが、誠実に対応してくれましたし、リモートではなく現場で直接対応してくれたこと、軽微なトラブルについてはどう対応すべきかを目の前で説明を聞きながら確認することができたことで、今後の学びになりましたし、なにより安心・信頼につながりました。

今後について

期待されていた効果を実感いただいていますが、一方で新たな課題も見えているのではないでしょうか?

セルフチェックインで待ち時間のないスムーズな対応が可能となりましたが、施設を初めてご利用いただくお客さまの中には館内の説明がなくて戸惑っている方も見受けられました。


もちろんKIOSKでご案内することも可能なのですが、滞留することにつながります。スタッフが状況を察知して直接ご案内する方法がよいのか、別の媒体の導入をするべきかなどはUSEN-ALMEXさんに相談しながら、引き続き検討をしていきます。

今回は主にフロント周辺業務の効率化いわゆるDX化を推進されましたが、今後の更なる展開を検討されていますか?

活用範囲を拡げるというよりは、チェックイン/アウトの利便性・効率性を高めることや、先進性を追う方向です。たとえばホテル到着前にチェックインできる仕組みを導入するとか、初歩的ですがペーパーレス化を推進するなどです。実はロボットも部分的に導入していますが、通路やバックヤードに十分な広さがないといった設備的な問題もありますので、ハード面の改修と導入効果とを天秤にかけながら考えていくことになります。

最後にホテル・宿泊業界の現況や今後の展望についても、ぜひお聞かせください

宿泊業界・観光業界は新型コロナウイルスの影響によって大きなダメージを受けていましたが、お客さまの流れも活発化しています。今後もこの流れは続いていくであろうと考えていますが、新たな対処すべき課題も見えてきています。

まずは人手不足の問題です。当施設については、幸いにも打ち手が効いてうまく回すことができていますが、今回の取り組みしかり、少なくともこの状態を維持するための手立ては、常に考え続けていかなければならないと感じています。

2点目はこのところの物価上昇です。物価上昇はそのまま原材料費の値上がりにつながりますし、人件費も年々上がっています。運用コストが上昇したからといって、その値上がり分をそのまま料金に反映することも難しいため、効率化やマネージメントで補う部分もあると考えています。

市場に目を向けると、海外勢の進出による競争の激化は注視すべき課題で、そこにどう対抗していくのか。国内情勢については少子化が進んでいます。龍宮亭のメインターゲットはファミリー層なので、子どもの減少はマーケットの縮小につながってしまいますので、そこにもどう対応するのかを考えていかなければなりません。

こうした変化にもしっかりと対処し、皆さんに楽しんでいただける魅力的な施設づくりを進めていきます。