ホテルマネジメントの新たなステージ:自動精算機の可能性

ホテルマネジメントの新たなステージ:自動精算機の可能性

ホテルの運営において、効率的なプロセスと顧客体験の向上を両立させるため、自動精算機の導入が注目を集めています。しかし、その導入に際して気になるのは経費面。自動精算機の耐用年数とは一体何か、そのメリットとデメリットはどのようなものなのか。本記事では、ホテルの自動精算機に焦点を当て、耐用年数や、導入の効果、導入事例などを解説します。自動精算機導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

自動精算機の耐用年数とは

耐用年数とは、減価償却の対象となる機械や設備に対して、適切なメンテナンスを受けつつ使用された場合に、その機能を保ちながら活用できる期間のことを指します。自動精算機の耐用年数を理解することは、設備投資の見通しを立てる上で重要です。減価償却とは、時間とともに劣化、または消耗する資産価値を、毎年の費用として会計処理に反映する手法です。減価償却の計算は耐用年数に基づいており、資産ごとの耐用年数は、国税庁によって定められています。

ホテルの自動精算機の耐用年数

自動精算機は、一般的に「金銭登録機」という勘定項目に該当し、耐用年数は5年と定められています。ただし、ホテルに導入する場合は、「飲食店業用設備」または「宿泊業用設備」の勘定項目に分類されます。耐用年数は、それぞれ8年と10年です。詳細は国税庁のホームページを参照してください。

自動精算機の導入方法によっても、会計処理が異なります。該当する勘定項目や、導入方法による会計処理の違いを理解したうえで、自動精算機の導入を検討することが大切です。

※参考:主な減価償却資産の耐用年数表|国税庁

自動精算機を購入する場合

自動精算機を購入する場合、自動精算機は資産となるため、国税庁の定める耐用年数に基づいた、減価償却が適用されます。例えば、耐用年数が10年で、300万円の自動精算機を購入した場合、毎年30万円を10年間経費として計上できます。耐用年数を超えて使用した場合でも、減価償却の期間は延長できません。

自動精算機をリースする場合

リースとは、特定の機器を一定期間使用したい場合に、リース会社と契約を結び、使用料を定期的に支払うことで、その機器を利用できるサービスです。自動精算機をホテルに導入する際、所有するかリースするかは重要な決定です。契約形態によって会計処理が異なります。

・所有権がホテルに移転する場合
ホテルは自動精算機の価格を資産として取込み、使用期間にわたって減価償却を行う必要があります。これによって、資産価値を分散し、会計上の利益と費用を均等に計上することが可能です。

・所有権がリース会社に残る場合
ホテルは自動精算機の価格を資産として計上する必要はありません。代わりに、毎月リース料を支払い、経費として計上します。この場合、減価償却の計算や管理の手間が省ける一方で、長期的なコスト面での考慮が必要です。

ホテル向けの自動精算機とは

自動精算機とは、部屋代やサービス料の支払いに関わる金銭の授受を、自動的に行う機器です。近年、その性能が向上し、業務効率化や正確性の向上を目的に、多くの施設で導入が進んでいます。特にコロナ禍の影響により、非接触での精算が求められる状況下で、ホテル業界においても導入が加速しています。

ホテル向けの自動精算機は、多彩な機能を備えています。例えば、宿泊者に対するルームキーの発行機能や、パスポートの読み取り機能、さらには顔認証を用いた本人確認機能などがあります。これにより、宿泊者の利便性が向上するだけでなく、ホテルスタッフの業務負担軽減、効率的な運営を実現することが可能です。

ホテル向けの自動精算機の主な機能

ホテル向けの自動精算機の機能について、一部を前述しました。ここでは、代表的な機能について詳しく解説します。

ホテル管理システムとの連携機能

主要な機能として、ホテル管理システムとの連携が挙げられます。ホテル管理システムとは、予約受付や顧客管理などに利用するシステムです。システム連携することで、自動精算機に予約情報や個人情報を表示できます。不足情報は、宿泊者自身による入力も可能です。自動精算機で入力された情報は、ホテル管理システムからも簡単に閲覧できます。これにより、ホテルスタッフは宿泊者の情報や支払い状況をリアルタイムで確認し、必要なサポートや手続きを円滑に行うことができます。

セルフチェックイン・チェックアウト機能

セルフチェックイン・チェックアウト機能は、自動精算機の中でも代表的な機能の一つです。宿泊者は予約番号やQRコードを自動精算機に読み込ませることで、チェックイン・チェックアウトの手続きをスムーズに行うことができます。予約情報は、自動精算機とホテル管理システムの連携によって提供されるため、宿泊者は簡単に受付処理を済ませることができます。これにより、宿泊者は待ち時間の短縮を実感できると同時に、ホテルスタッフも受付業務の削減による業務の効率化を達成できます。セルフチェックイン・チェックアウト機能は、ホテル運営において利便性と効率化を向上させる重要な要素となっています。

キャッシュレス対応

近年、多くのホテルでキャッシュレス決済対応が広がるなか、自動精算機は、クレジットカードやQRコード決済にも対応しています。ホテル側は煩雑かつ注意が必要な現金の授受作業を減少させ、業務をより効率的に運営できると同時に、宿泊者にも支払い方法の選択肢を提供します。これによって、より便利でスムーズな精算が実現されます。

多言語対応

自動精算機には多言語対応の機種も存在し、これはインバウンド対策としても非常に有効です。音声ガイドや画面表示の言語切り替え機能によって、スタッフの介入なしで外国人旅行者の受付手続きを円滑に進めることが可能です。

ホテルでの自動精算機導入メリット

ホテルに自動精算機を導入することには、さまざまなメリットが期待されます。以下では、その代表的なメリットについて詳しく解説します。

フロント業務の省人化によるコスト削減・人手不足の解消

フロント業務の省人化によるコスト削減と人手不足の解消というメリットがあります。現代のホテル業界では、人手不足が深刻な課題となっており、これに対処するための効果的な手段として自動精算機が注目を集めています。フロントスタッフは宿泊者のチェックイン・チェックアウト、支払い処理などを担当してきましたが、自動精算機の導入により、これらの作業を宿泊者自身が行えるようになります。これにより、フロントスタッフはより質の高いサービスに集中することができます。自動精算機を利用することで、効率的な業務運営が可能となり、人手不足に悩むホテルも適切な運営が実現できるでしょう。

サービス向上

自動精算機の導入は、ホテルのサービス向上にも寄与します。フロント業務が効率化されることで、宿泊客の待ち時間が短縮され、混雑も緩和され迅速な手続きが可能です。さらに、フロントスタッフは精算以外の業務に時間を費やせます。フロント業務の品質向上とサービス強化につながり、宿泊客の満足度向上も期待できます。

ヒューマンエラーの防止

自動精算機の導入は、ヒューマンエラーの防止に非常に効果的です。従業員によるおつりの誤渡しや宿泊者情報の入力ミスなどの問題を回避できるため、違算金や会計処理のミスを大幅に軽減できます。現金授受や売上管理を自動化することで、不正行為の予防にも寄与します。また、従業員のストレスも軽減され、正確性の高い業務遂行を実現します。ヒューマンエラーのリスクを最小限に抑えながら、信頼性のある運営を実現するために、自動精算機の導入は欠かせない要素と言えるでしょう。

実際の導入事例:ホテルの成功ストーリー

近年、自動精算機を導入するホテルが増加しています。ここでは、いくつか導入事例をご紹介します。

R&Bホテル京都四条河原町様

R&Bホテル京都四条河原町は、部屋と朝食に特化したホテルです。シンプルなサービスを目指し、システムをフル活用した運営の一環として、自動精算機を導入しています。基本的にお金を直接扱わないため、スタッフの精神的負担が軽減されました。スタッフの確保がより難しくなる将来への対策にもつながっています。

ザ・スクエアホテル銀座様

ザ・スクエアホテル銀座は、「銀座をつなぐコンシェルジュ」をコンセプトに、人や情報をつなぐ広場のようなホテルを目指しています。外国語に対応できるスタッフが多く、外国客も安心して滞在できます。自動精算機の導入背景は、お客さまと向き合うスタッフの時間を大切にするためです。自動精算機によるスムーズな手続きが実現でき、お客さまとのコミュニケーション機会が増えています。

変なホテル様

変なホテルは、ロボットをメインスタッフとする世界初のホテルで、先進技術を活用してお客さまのニーズに応えています。インターネットによる事前予約が大半ですが、当日予約や、現金支払いを希望するお客さまにも対応できるように、自動精算機を導入しました。より多くのお客さまに満足いただけるようになっただけでなく、ホテルのスムーズな運営にも貢献しています。

導入事例(ホテル・宿泊施設の成功ストーリー):
https://www.almex.jp/case/accommodations/hotels/

ホテルにおすすめの自動精算機

アルメックスでは多様な運用にマッチする自動精算機をLINEUPしています。

宿泊施設向けセルフチェックインKIOSK(TEX-01X/TEX-2850)

宿泊施設向けセルフチェックインKIOSKは、セルフチェックインや業務管理、精算など、数多くの機能を持つ自動精算機です。画面表示言語も、日本語・英語・中国語・韓国語から選択でき、外国人旅行者の多いホテルにもおすすめできます。

充実のLINEUPで多様な運用にマッチします
01. スタンド型KIOSK
チェックインコーナーに据え置くことができるスタンドタイプ
02. テーブルトップ型KIOSK
キャッシュレスに特化したコンパクトで使いやすいKIOSK端末
03. 家具組込型KIOSK
フロントカウンターなどホテルさまの制作家具に各種機器を組み込み、ロビーやフロントスペースに調和

製品情報(宿泊施設向けセルフチェックインKIOSK):
https://www.almex.jp/hs/products/adjustment/kiosk.html

まとめ

ホテルの運営に自動精算機を導入することで、コスト削減や人手不足の解消、サービスの向上など、複数のメリットが期待できます。耐用年数や導入方法によって、経費の計上方法が異なるため注意が必要ですが、適切な会計処理を行いながら、自動精算機を有効活用することをおすすめします。

アルメックスは、ビジネスホテルや医療機関などに向け、業務効率化や施設利用者の利便性をサポートする製品・サービスを提供しています。業界シェアNo.1の実績を持ち、企画から製品化の工程で保証される品質や、24時間365日のアフターメンテナンスも強みです。自動精算機の導入を検討の際は、ぜひお問い合わせください。これによって、ホテル運営を効果的にサポートし、顧客満足度向上に貢献することができます。

<執筆者プロフィール>
・執筆者:内田浩樹
・所属:株式会社アルメックス 構造改革本部 企画部
・経歴:
株式会社アルメックスに新卒で入社、入社24年目。入社後の最初の3年間は営業部門で働き、その後新製品導入チームに異動し、10年間開発部門に在籍しました。その経験を通じて会計や会社の仕組みに興味を持ち、経営企画に転身し、7年間の経験を積みました。現在は、新しい取り組みやアルメックスのデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を担当する構造改革本部で、自社利用システムの導入と運用管理に携わっています。
・保有資格:
マーケティングビジネス実務検定B級、簿記2級、第2種電気工事士、普通自動車免許、防災士など

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