医療機関で利用される自動精算機の概要と特徴
自動精算機とは、患者さまが診療費の精算を自ら行うことができる製品で、業務効率の向上などを目的とした製品です。
ここでは、自動精算機の概要や特徴について解説します。
自動精算機とは何か
自動精算機とは、患者さまがご自身で精算を完了させることができる機械です。業務効率化による人手不足の解消や、会計までの待ち時間の短縮といったメリットがあります。医療事務員と患者さまが対面した状態で利用するセルフレジとは異なり、患者さまがご自身で支払いを完了できるため、会計時の待ち時間を短縮可能です。自動精算機とカルテの連携方法には、データ連携型とバーコード連携型の2種類があります。データ連携型では、患者さまのカルテ情報を自動精算機と連携させて支払いを行います。一方、バーコード連携型では、診察券や会計レシートに印刷されたバーコードを自動精算機に読み込ませることで支払いを行うことができます。
医療機関における自動精算機のニーズ
診療費の支払いに関して行われた意識調査によると、患者さまの7割が「会計待ち時間にストレスを感じている」という結果になっています。
また、医療事務関係者の9割も「患者さまの会計待ち時間を短縮したい」と回答しています。そこで自動精算機を導入すれば、診療費の精算を効率化できるため、会計の待ち時間短縮が可能です。意識調査から患者さまも医療事務関係者も、精算にかかる時間を短縮したいと感じている人が多いと分かるため、医療機関での自動精算機のニーズは高いといえます。
医療機関に自動精算機を導入するデメリットとは
自動精算機を医療機関に導入する場合、デメリットが生じます。ここでは、どのようなデメリットがあるか解説します。
初期費用に加えランニングコストがかかる
自動精算機を導入するには、初期費用とランニングコストがかかりますることを考慮する必要があります。自動精算機の耐用年数は5~7年程度で、定期的な交換も必要です。ですから、導入後も長期的に利用できるわけではなく、ランニングコストの負担も重要な要素です。コストを考慮し、問題なく運用できるような計画を立てることが大切です。
自動精算機を設置するスペースが必要
自動精算機には床置き型やカウンター型がありますが、設置するにはいずれもある程度のスペースが必要です。医療機関の建物が狭い場合、自動精算機を置くと圧迫感が出る可能性もあります。設置する予定の場所の広さをよく確認しましょう。
釣銭の準備などに手間がかかる
自動精算機で患者さまに精算してもらうには、あらかじめ釣銭を準備しておく必要があります。特にカウンター型はプールできるお金の量が少ないため、お金を補充する回数が床置き型よりもさらに多くなります。自動精算機を導入すれば精算は機械に任せられますが、釣銭の準備は人が対応しなければなりません。
医療機関に自動精算機を導入するメリットとは
デメリットがある一方で、医療機関に自動精算機を導入すると、さまざまなメリットが期待できます。具体的にどのようなメリットがあるのか解説します。
業務の効率化をはかれる
医療機関に自動精算機を導入すれば、診察を終えた患者さまが自分で精算を済ませられます。そのため、医療事務員が精算に対応する必要はありません。
特に、レセコンや電子カルテと連動できる自動精算機なら、大幅な業務効率化を期待できます。請求した人・日時・金額はもちろん、決済手段やお釣りの金額といった細かい情報まですべて記録できます。機会によっては、未収金管理にも対応可能です。
会計の待ち時間を短縮できる
医療事務員が個別に会計を行っていると、患者さまは長時間待たされるケースも多いです。しかし、自動精算機を導入すれば会計がスムーズに進むため、患者さまが会計を待つ時間を短縮できます。待ち時間を短縮された場合、それだけで患者さまの満足度は向上します。その結果、医療機関の評価も高まる可能性が高いです。
金銭の受け渡し・ミスがなくなる
自動精算機による精算に切り替えれば、医療事務員と患者さまが金銭をやり取りする必要がなくなるため、感染症対策になります。感染症対策に気を使う人が多くなっており、医療機関と患者さまの両方にとってメリットがあります。また、自動精算機を使用することで、人為的なミスを削減することができます。正確な支払いが行われるため、会計におけるエラーやクレームが減少します。
医療機関の自動精算機の相場
医療機関で使用できる自動精算機の相場は、200~400万円程度です。まとまった初期費用が必要になるため、導入後の運用についてよく検討したうえで導入を決めましょう。ただし、IT導入補助金をはじめとする補助金・助成金を活用すれば、負担を抑えて導入できる可能性もあります。補助金の種類によって条件が異なるため、活用できるか確認してみてください。
また、導入した後は、月3万円程度の保守費用やメンテンナンス費用がかかります。
医療機関の自動精算機を選ぶときのポイントとは
自動精算機を選ぶ際は、決済システムをはじめとする機能面をよく確認しましょう。ここでは、自動精算機を選ぶときのポイントについて解説します。
電子カルテ・レセコンと連動できるかで選ぶ
自動精算機を導入するなら、電子カルテやレセコンと連動できると便利です。自動精算機と電子カルテやレセコンが連動できれば、いつ誰がいくら請求したか、お釣りはいくらか、どの決済方法を利用したかなどの情報も記録できます。
自動精算機の連携方法は、機種によってさまざまです。オンラインで簡単に連携できるタイプや、印字したバーコードを機械で読み取るタイプなどがあります。オンラインで連携できるとより便利ですが、費用がかかる可能性もあるため注意しましょう。医療機関全体のニーズを考慮し、より適しているタイプを選んでください。
月換算のコストで選ぶ
自動精算機は導入時にまとまったコストがかかりますが、それ以外にもランニングコストが発生します。自動精算機を利用するためにかかるコストの総額を把握したうえで、実質的に月額いくらで利用できるか計算しましょう。そして、求めている費用対効果があるか確認する必要があります。
なお、すでに触れたとおり自動精算機の耐用年数は5~7年程度です。費用対効果を検討するうえでは、耐用年数も考慮しましょう。
機種によって初期費用やランニングコストは異なるため、比較して検討することも大切です。
決済方法の種類で選ぶ
選ぶ自動精算機によって、対応している決済方法はそれぞれ異なります。現金だけでなく、クレジットカードや各種電子マネーによる決済にも対応していると、患者さまにとっての利便性が向上します。その結果、満足度も高まる可能性が高いです。最近では、患者さまのニーズに応えて、QRコード決済に対応できる自動精算機もリリースされています。
操作性の良さで選ぶ
自動精算機を選ぶうえでは、操作性も重要です。医療機関で働くスタッフ全員が簡単に操作できるか確認しましょう。操作しにくいと現場での活用がなかなか進まなかったり、逆の手間が増えることもあるようです。
5,000円札が使用できるかどうかで選ぶ
すでに触れたとおり、自動精算機のなかには5,000円札を使用できない機種もあります。その場合、受付で両替する手間がかかります。余計な手間を省くためにも、5,000円札を使用できるか確認しましょう。
自動精算機の釣銭を準備する方法
自動精算機の釣銭を用意するために両替する場合、各銀行によって手数料が異なります。以下でくわしく解説します。
三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行に口座がある場合、両替は1~10枚までなら無料です。11枚以上を両替するには、両替用の専用カードが必要となります。
口座がない場合は必ず専用カードが必要です。手数料は、500枚までは300円、501~1,000枚については600円です。
みずほ銀行
みずほ銀行に口座がある場合、両替は1~10枚までなら無料です。11枚以上は手数料がかかります。手数料は、11~500枚までは550円、501枚以上は1,320円です。
また、口座がない場合、手数料は500枚までなら550円、501枚以上は1,320円です
三井住友銀行
三井住友銀行に口座がある場合、両替は1~10枚までなら無料です。11枚以上を両替するには、両替用の専用カードが必要となります。
口座がない場合も専用カードが必要で、手数料は500枚までなら400円、501~1,000枚までは800円です。
りそな銀行
りそな銀行に口座がある場合、両替は1~10枚までについては無料で行えます。11枚以上を両替するには、両替用の専用カードが必要です。
口座がない場合は専用カードを用意しましょう。手数料は、500枚までなら400円、501~1,000枚は800円です。
まとめ
医療機関に自動精算機を導入すれば、業務効率化や患者さまの満足度の向上などにつながります。自動精算機の導入にはコストがかかるため、目的や費用対効果なども確認したうえで導入を検討しましょう。
アルメックスでは、医療機関向けの自動精算機を提供しています。クレジットカードや銀行Payなどでの精算にも対応しており、今後も幅広い決済方法へ対応する予定です。業界シェアトップを誇っており、製品の企画、製造、販売、設置、アフターサービスまで一気通貫で行っています。アフターメンテナンスは土日祝も含め24時間365日対応可能です。診療費の精算を効率化するために、ぜひ自動精算機の導入を検討してください。
<執筆者プロフィール>
・執筆者:内田浩樹
・所属:株式会社アルメックス 構造改革本部 企画部
・経歴:
株式会社アルメックスに新卒入社し、入社24年目になります。入社後の最初の3年間は営業部門で働き、その後新製品導入チームに異動し、10年間開発部門に在籍しました。その経験を通じて会計や会社の仕組みに興味を持ち、経営企画に転身し、7年間の経験を積みました。現在は、新しい取り組みやアルメックスのデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を担当する構造改革本部で、自社利用システムの導入と運用管理に携わっています。
・保有資格:
マーケティングビジネス実務検定B級
簿記2級
第2種電気工事士
普通自動車免許
防災士(取得中)
など
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