クリニックにキャッシュレス決済は必要?
クレジットや電子マネー決済等の気になる手数料・料率や導入の注意点

クリニックにキャッシュレス決済は必要?<BR>クレジットや電子マネー決済等の気になる手数料・料率や導入の注意点

NIRA総合開発研究所の調査によれば、個人の消費支出額におけるキャッシュレス決済の比率は70.6%でした。
5年前の同調査では51.3%だったことを踏まえると、患者さまにとってキャッシュレス決済は「使えると便利」から「使えて当たり前」というイメージの変化があったのではないでしょうか。しかし医科クリニックや歯科クリニックをはじめとした医療機関は、現金のみの対応となっている施設が多いのではないでしょうか?

今回は必要性を感じているが、キャッシュレス決済導入に悩むクリニックさまに向けて、キャッシュレス決済を導入する際の医療業界ならではの注意点をご紹介します。

出展:NIRA総合研究開発機構(2023)「キャッシュレス決済実態調査2023(速報)」
https://www.nira.or.jp/paper/research-report/2023/212309.html

クリニックでの普及率

2023年に実施された厚生労働省の調査結果によるとキャッシュレス決済の導入率はそれぞれ下記の結果となっており、ほかの業界と比較するとかなり低い導入率となっています。

円グラフ


32.8%
クレジット決済


9.7%
電子マネー決済


9.6%
QRコード決済

ただし、本調査は京都府と沖縄県のクリニックを対象に実施されているため、東京や大阪などの都市圏では上記の結果より高い導入率が予想されることに注意が必要です。

出展:厚生労働省「令和5年度 医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査」
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001292094.pdf

医療機関からみた各キャッシュレス決済方法の特徴

クレジット

①導入実績豊富
多くの医療機関で導入されており、ノウハウが蓄積されている。

②患者さまへの安心感
若者から高齢者まで幅広い年齢層に普及しており、患者さまに安心感を与えやすい。

③高額決済対応
自由診療や高額な治療費にも対応しやすく、患者さま単価の増加に対応しやすい。

電子マネー

①スピーディーな決済
暗証番号なしにワンタッチで決済できるため、現金やクレジットカードよりも短時間で支払いが完了する。

②少額決済向き
チャージして使用するブランドもあるため、高額な請求金額の場合は、患者さまが残高不足になっている可能性。

③利用者層
若年層や女性に利用者が多い傾向があるため、小児科,小児歯科やレディースクリニックにおすすめ。

QRコード

①スマートフォンで支払い
多くの人が所持しているスマートフォンで支払いができる。反対にご高齢の患者さまが多いと利用率が低くなる可能性。

②利用者層
スマホ世代の若年層の利用者が多い傾向があり、大学近くや都市圏のクリニックさまだと利用率が高くなる可能性。

③キャンペーンの実施
サービス提供事業者によるお得なキャンペーンが実施されるため、自治体が積極的にキャンペーンを展開している地域では、患者さまの利用率が高くなる可能性。

キャッシュレス決済導入の際のポイント

1)サービス契約種類とブランド範囲

仮にキャッシュレス決済を導入したとしても、利用率が高くなければ導入効果は薄くなってしまいます。クリニックの患者さま層や平均単価を考慮した上で、まずはクレジットやQR決済など、どの決済サービスを導入するかを検討しましょう。

次にそれぞれのサービスについて、どのブランドを契約するかを考えます。闇雲に多くのブランドと契約するのではなく、立地や患者さま層を考慮し、利用が見込まれるブランドを選択すると良いでしょう。

例として、駅近やバス停近くのクリニックですと交通系ICの利用が見込まれます。またショッピングモール近くですとプリペイド型電子マネーの利用が多くなることが予想されます。

2)ランニング費用・料率

どのサービスも請求金額に対して、一定の手数料が必要となります。医療機関向け特別料率を用意している事業者も多いため、他の業界と比べてお得に利用できることが多いです。

事業者ごとに料率が異なるので、クリニックで導入するサービスを決定後に事業者を比較検討すると良いでしょう。
また手数料とは別にランニング費用として利用料が必要となることもあります。

3)誤決済等の取消方法

契約時に見落としがちな観点として取消方法があります。医療機関はどうしても返金対応や請求ミスが発生することがあるかと思います。その際は、支払いの取消が必要となるため、具体的な方法やキャンセルまでの対応時間は事前に確認しておくと良いでしょう。

クリニックにおけるキャッシュレス決済導入の注意点

保険診療の場合の料率は実質的にさらに0.1~0.3倍に

支払い手数料は患者さまの「窓口での支払い分のみ」になることに注意は必要です。保険利用の患者さまの負担割合は総額の3割~1割であるため、実質的な料率は名目上の料率よりかなりお得になることに注意が必要です。


例)手数料が3%契約のクリニックで、3割負担の患者さまに総額5,000円を請求する場合
△よくある勘違い
 手数料=5,000円×3%=150円
〇実際の手数料
 手数料=5,000円×30%×3%=45円 ※実質料率:0.9%

ただし自費診療の場合は実際の料率通りとなります。

入出金管理が複雑にならないか

現金決済のみのクリニックにキャッシュレス決済端末を導入すると、売上金の管理が従来の「現金の入出金」に追加して「契約しているキャッシュレス決済サービス」の入出金の管理が必要となることに注意が必要です。

また返金や請求ミスに備えて、どの患者がどの支払い方法を使ったのかを記録しておく必要があります。キャッシュレス端末のみの場合は、支払い金額と支払い時刻のみの記録となるため、患者さま特定のために電子カルテ・レセコン上での請求記録の突合せが必要になります。
またキャッシュレス端末のみの運用ですと、端末での金額入力が必要となるため、レセコン上での管理と合わせて2回請求を記録する必要が生じます。

このような複雑な管理を避けるためには、自動精算機を合わせて導入することで現金とキャッシュレスの管理を一元化することができます。また支払い記録も連動して残すことができるため、運用上のミスを最小化することに繋がります。

まとめ

クリニックでキャッシュレス決済を導入する場合は闇雲に導入するのではなく、立地や患者さま層に合わせてサービス種類を選択することが重要です。

また手数料に関して、保険診療中心のクリニックは実質的にお得利用できることも覚えておくと、検討に役立つかと思います。今や使えて当たり前の存在になりつつあるキャッシュレス決済を患者さまの利便性向上に繋がるため、検討されてみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

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内田浩樹
会社名:株式会社USEN-ALMEX
部署名:事業企画本部 ビジネスクリエーション部
執筆者の略歴:マーケティングビジネス実務検定B級、簿記2級、第2種電気工事士、普通自動車免許、防災士など

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